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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第7章 過去


リーレノの葬式は、
村をあげて行われた。

その間、私は泣き通しだった。

大好きだったリーレノ...
私の家族。大切な、大切な.......



葬式が終われば、
残るのは私の問題だった。

まだ11歳で、自分で暮らしていくなど
できっこない。
でも、決して裕福ではない村人達では、
育ち盛りの子供を引き取る余裕も
もちろん無かった。




だから、村長は私を売った。
村と親交のある貴族の男に...。



「この子です、子爵様。
 如何でしょう?」

「ほぉ....なかなか良いじゃないか。
 顔も私好みだ」

村長に手を引かれ、私は
男の前に連れ出された。

「この子なら.......くらいでいいでしょう」

「は、ありがたいことです」

取り引きは成立した。
その男は私を高く買い取った。
村長は私を男に押し付け、
逃げるように帰って行った。


「こっちへおいで。
 いいことをしてあげよう」


男の手により、私は
普通なら味わうことのない、
様々な苦痛を味わった。

「ほら、もっと泣き叫ぶんだ。
 もっと私を楽しませなさい」

「いやああああああああああああ!!!!」


彼は私を痛めつけ、
飾り立てた。
でも.......

「こいつは最近面白みがない。
 もういらん。」

たったの1か月で飽きて
私は売り渡された。

1か月は、私の心を破壊するのに
充分な時間だった。


売られた先は評判の悪い風俗店で、
私はひどい扱いを受けた。

いじめなんて軽い言葉では
表すことのできない暴虐。


客の相手はもちろんさせられた。
売り上げは私の手を素通りして
全て女将が持っていった。



「やぁねぇ~、汚ない子。
 その体ちゃんと洗いなさいよ」
「大事な商売道具でしょ~?
 大丈夫よ、顔は傷付けないわ。
 ちょっとその汚ない体を切るだけよ。」
「ああら、血はキレイね?」
「やめてよ、汚ないわ」


朗らかに笑いながら、
商売仲間の女達は私の体を切り刻んだ。
幼い私では抵抗できるはずもなく、
全身に切り傷と痣が出来た。
なのに、顔はキレイなままだった。

その姿で客の相手をすれば、
私の体を見た男達は、
喜んで同じことをした。

壊れていた心の欠片が
粉になって消えた気分だった。
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