第6章 アクマ討伐
周りを見るが、本当に
何の特徴も無い建物ばかりだ。
路地は北と南に抜けている。
「僕は今、北の隅にある
大きな教会の前にいます!!」
ー 北かっ......。
すぐに北の方向を見る。
と、
「ビンゴッ」
笑みがこぼれた。
アレンの言う教会は、
オレから見て真っ直ぐ北にある。
「アレン、そっから真っ直ぐ
南さ!!オレら街の中心辺りにいるんさ!
真っ直ぐ南に来い、今火判で位置知らせるさ!」
「チッ」
すぐに大きくなった【鉄槌】を
振り上げた。
「火判!!」
「うわっ!?ちょっとブックマン!
今さりげなく僕狙った!?」
...さりげなく狙った。
アレンに居場所は知らせたから、
後は待つだけだ。
ー 微かに聞こえた舌打ちはユウか...?
来てくれたらいい、と思いつつ
リランを見る。
何も反応しないし、瞳は虚ろで儚い。
「リラン...」
ー もう少しだけ頑張るさ...。
頼む、負けるな!
目をぐっと閉じた。
その時、ロードが頬を
膨らませた。
「暇~。無視しないでよ~ブックマン!」
ロードの周りに鋭く尖った
ロウソクが現れた。
思わず目を見開く。
ロードはニヤリと笑って、
オレを指さした。
ロウソクが飛来する。
「くそっ!」
速すぎる。
ダメだと思った時、
目の前が真っ白になった。
「あ~!!」
ロードの嬉しそうな声。
オレは、見慣れた白い髪を見上げた。
「アレ~ン!♪久しぶり~!♡」
「ロード...!!」
安堵と共に立ち上がり、
アレンの肩を叩いた。
「さんきゅー、アレン!
助かったさ!」
「ラビ...無事で良かった。リランは?」
ロードを睨んでいたアレンは、
オレを見て安心したように微笑んだ。
しかし、その先に座り込むリランを
見付けて表情を厳しくする。
「アレンは呼んだ!
リランを解放しろ!!」
オレがロードに吼えた。
ロードは満面の笑みで、
アレンに向かって手を大きく広げる。
「アレン~♪会いたかったよぉ~♡」
アレンは答えずにロードを睨む。
オレとアレン、両方に睨まれて
ロードは肩をすくめた。
「もぉ...あ、そうそう、この子面白いよ~♪
この子の闇はとぉっても深くて、
心はもう半分壊れてたんだ~♪」
歌うように言う。