第6章 アクマ討伐
私は一瞬何が起きたか
分からなかった。
物凄い衝撃と痛みを感じた。
「うっ.......く..........。」
全身が軋む。
薄く眼を開けると
少し離れた正面にラビが
アクマと向かい合っていた。
ー 行かなきゃ.......。
体を動かそうとすると、
激痛が走った。
頭から血がつー、と流れたのを感じる。
ー うーん、これは動けないなー...
自分のケガの程度は見当がつく。
全身を強く打ったせいで、
痺れてうまく動かない。
頭は瓦礫で切ったようだ。
小さな切り傷もたくさんあるみたいで、
チクチク痛い。
私はため息をついた。
「あ~あ、ケガしちった~」
おどけてふざけたように言ってみる。
ー .......余計に疲れた。
さらに深いため息が洩れた。
「ん?」
爆発音。
ラビがアクマを破壊したようだ。
「リラン~!リラン~!」
ラビの声がだんだん近付いてくる。
「リラン!無事か!?ケガは!?」
私を見つけたラビは、
すぐに瓦礫から引っ張り出してくれた。
私は体がぐったりしていて、
されるがままになる。
「血ぃ出てるさ!
すぐ手当てすっからな!」
「ラビ、頭だけでいいよ。
あとは大したことないから」
「分かった、じっとしてろよ」
ラビは手慣れた様子で
頭の止血をし、包帯を
巻いてくれた。
気遣うように私の体を支える。
「リラン、立てるか?
とりあえず移動しねぇとここ
目立つんさ、アクマにすぐ見つかるさー」
「ううん、大丈夫。
平気だから、進もうっ」
「だけど.......」
少し休んで、大分痛みは引いていた。
パッと立って見せれば、
ラビも納得して進み始めた。