第28章 これから、君と
今を精一杯生きることが大切。
なら、自由でいられる今のうちに、
私は一緒にいたい人と過ごそう。
軽やかな足取りで食堂へ向かった。
賑やかに騒ぐ声が聞こえてくる。
入ると、そこには.......
「リラン!ホントにホントにリランだぁ~!」
「うわっ!?ジョニー!」
「生きてた...リランが生きてた...」
私に飛び付いたのはジョニー。
その後ろで、リーバー班長が
男泣きしていた。
よく見れば、他の科学班のみんなの姿も。
「みんな.......」
無事を喜んでくれる家族を目にしたら、
なんだか泣けてきた。
でも、奥のテーブルから聞こえてくる
声を聞いたら、そんなのも吹き飛んでしまった。
「それオレの肉さー!!」
「良いじゃないですか、ちょっとくらい!」
「じゃあこれもーらいっ」
「あーー!!僕のトンカツ!
何するんですかラビ!」
「もー、2人とも静かにしなさいっ」
思わず笑みがこぼれた。
みんな、明るくて楽しそうで。
憧れていた絆が、そこにある。
私が近付けば、すぐに気付いたラビが
横にずれて、隣をポンポン叩いた。
大きな声で私を呼ぶ。
「リラン、ここここ!
一緒に飯食うさ~♪」
今、多分、私.......
幸せだ。
イノセンスとか歌姫とか、
みんなといる時は全てを忘れられる。