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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第28章 これから、君と


「シリーと別れた後、
 すぐに教団へ戻ってきたの」

語り終えて3人を見ると、
全員固まっていた。

「長くない.......?」


驚愕する3人に、私は微笑んだ。


「うん。自分で分かるの。
 歌姫の力を喪った代償は、とても重い。
 分かるんだよ。
 多分.......多分ね、
 お母さんも歌姫だったんじゃないかな
 って思うの」


初めて歌った時、
毒に侵されていた時。

一瞬だけど脳裏に甦った情景。

椅子に座った女性が、
優しく髪を撫でてくれていた。
直感的に分かった。
お母さんだ、と。

きっと、体の弱い母は、
歌姫の力に耐えられなかったんだ。

「諸刃の剣なんだよ、歌姫の力って。
 強くて強くて、毒で殺そうとしたら
 授かった長命すら削られる」

「じゃあ.......リランは...??」

青ざめる3人。
でも、みんなの考えを私は明るく笑い飛ばした。

「大丈夫だよ、そんな絶望した顔しないで!
 後30年は生きるって」

「なぁんだ~......」

一斉に脱力したみんなは、
恨めしそうに私を見る。

「怖いこと言うのやめてよ...」

「心臓に悪いわ!」

「マジで頭ん中真っ白になったさ....」

「ふふ、ごめんごめん!」

笑い飛ばしながら、
少しの罪悪感を感じていた。

笑顔が曇る前に、司令室へたどり着く。

ドアを開けると、待ち構えていた
コムイさんに迎えられた。

「お帰り、リラン」

「ただいま、コムイさん」

私が教団に帰ってくるまでの経緯は、
コムイさんは知っている。

だから、この先はこれからのことだ。


「リランは明日、アレンくんと一緒に
 方舟に行ってもらうよ。
 歌姫の力の有無を調べさせてもらうからね」

「はい」

「イノセンスの様子は?」

「分かりません。
 アレンの時は、粒子になっている状態で
 復活したんですよね?
 私は、半壊してるだけで、再生する様子もなくて...」

コムイさんは難しい顔で
考え込んだ。

「どうにか復活出来るように、頑張ってくれ...
 としか言いようがないね」

「はい.......」

肩を落とす私を、
みんなが気遣うように背中を叩いてくれた。

「...オレとしては復活してくれなくて
 いいんだけどな。戦いって危険だし」

とか言うラビは無視。
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