第5章 初任務
街へ近付くと、アレンが
顔をしかめた。
「アレン...その左眼は?」
色が変化して、スコープのような
物が現れた眼を見て聞く。
「ああ、これですか?
昔、呪いを受けてアクマが見える
ようになったんです」
「ああ、そっか、そうだったね」
ちょこっと話を聞いたことを
思い出した。
見るのは初めてだ。
アクマの魂が見えることは、
便利そうで案外キツいらしい。
「本当に大量のアクマです...。
大変そうだな......。」
アレンのため息を見て、
突然不安になった。
私も今まで何体か倒したけど、
そんな大量のアクマと
戦うのは初めてだ。
不安が顔に出ていたのか、
ラビが頭をクシャッと撫でた。
クセなのか、それとも
子供扱いしてるのか...。
「心配すんな、リラン!
オレが付いててやるさー」
「ラビって...いや、ありがと」
「なんさ!?
その言いかけてやめたのは!」
「なんでもなーい」
子供扱いしてるのか
聞こうと思ったけど、やめた。
頬を膨らませて怒る様子が
目に浮かんだからだ。
笑いが込み上げそうになった途端、
「アクマだ。来るぞ!」
神田の声が響いた。
「まだ街からは少し遠いのに...
ここにもいるの!?」
ここは、向こうに街並みが
はっきり見えてきたかどうか、
というところだ。
焦って周りを見る。