第25章 襲撃
「リランが...いない?」
聞き返すと、頷く。
「アクマが襲ってくるのを見つけて、
リランが街の人達を避難させようとしてたの。
私はアクマと戦うために離れたから...」
ついに、リナリーの瞳に涙が
盛り上がった。
「どうして1人にしたのかしら...!!」
「泣いてる暇はねぇだろ。探すぞ」
神田が冷めた声で言い、
方向転換する。
凄まじい速度で街に戻ったオレ達は、
街中を駆け回った。
「いたか?」
「いねぇ」
「本部にも戻ってないそうです」
「くそっ.......」
ノアが現れなかった。
そんなはずはない、ノアは絶対にいたのだ。
じゃあ目的は?
リランがいない今、答えは1つだ。
「目的はリランの誘拐...!」
「って思うだろうねぇ、普通は。
なあ?眼帯くん♪」
「貴様ッ.......」
神田が即座に抜刀した。
そこにいるのは、
見るだけではらわた煮えくり返る
天パほくろのノア。
「ティキ・ミック.......」
アレンが呟く。
オレは、ティキの言葉に疑問を持っていた。
「普通はってどういうことさ?」
「殺したよ。君達の大事な歌姫」
「「「はあ!?」」」
驚く声が被る。
ティキは、楽しそうに語り出した。
「アクマの弾丸を体に埋め込んでやったよ。
じわじわと毒に侵されて、
最期はあっけなく散ってったなあ...。
目の前で人間殺したら怒るし、
すげー楽しかったぜ?」
目の前が真っ暗になった。
― リランが...死んだ?
「その首切り裂いてやる」
ティキ言い終わる前に神田が斬りかかった。
アレンもイノセンスを発動し、
飛び掛かる。
「怖い怖い。
俺、もう用は済んだから帰る。
じゃあな、少年達。
また会おう」
「待てッ!!!」
ティキは逃げていった。