• テキストサイズ

孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第25章 襲撃


「リランが死んだなんて、
 そんなこと絶対ねぇ...あいつの嘘だろ?」

そう思いたい。
なのに。

「みん.......な...」

震えている細い声は、
リナリーのものだ。

「リラン、のもの、なの.......」

途切れ途切れに言いながら差し出したのは、
リナリーの手首にもついている
エンジェルリング。

「これだけ、空き地に落ちてて.....」

それ以上言えなくなったリナリーは、
嗚咽を漏らした。

そっと寄り添うアレンに目もくれず、
リナリーの手からブレスレットを取る。

チャリ、と音を立てるチャームは、
ティアドロップと羽根。


― まるで、オレの涙だな。


実感なんてまるで湧かない。
なのに、リランが死んだことは、
事実としてオレの心を蝕んだ。

「守るって.......誓ったのに...ッ」

握りしめたブレスレットが
手のひらに食い込んだ。


頬に流れる雫が雨か涙か、

もうオレには分からなかった。
/ 284ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp