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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第25章 襲撃



「終わった...のか?」


空を見上げ、【鉄槌】を縮める。
疲労感が一気に襲ってきた。

街のあちこちから火の手が上がっている。
今回の襲撃も、犠牲無しで終わらせることは
出来なかった。

オレは自分の体を見下ろした。
マフラーはぼろぼろだし、団服も
土埃で汚れきっている。


「アレンと...ユウとリナリーはどこさ...?」


探す気力も起きない。


「劫火灰燼.......火判」


合図のつもりで【鉄槌】を振るう。
しばらく待っていたら、
オレよりひどく、満身創痍のアレンと神田が
現れた。


「お疲れさ」

「ふん」

「無事ですか?」

「ああ」


短い会話は、すぐ途切れた。


「リナリーはどしたん?」

「リランを探しに行きました。
 見つけたら合流するそうです」


とりあえずは、最悪の事態は
回避した感じだろうか。
しかし、今回のアクマ襲撃は唐突だし変だ。


「何が目的さ?あんな大軍のわりに
 ノアもいなかったし...」


そう、そこだ。
ノアがオレ達の前に現れなかった。
明らかにこの街を標的にし、
襲ってきたわりにはノアがいなかった。


「目的は街じゃないってことですか?」

「街じゃなかったら...何さ?」

「さあ.......」


逃げ出していた人々がちらほら戻ってくる。
それを見たオレは、一旦本部へ帰ることにした。


「リナリーはどうしますか?」

「すぐ戻ってくると思うから、
 とりあえず帰ろうさ」


3人連れ立って歩く。
いつもは喧嘩しかしないアレンと神田も、
さすがに疲れたのか無口だ。


「みんな!!」

本部までの道を半分ほど来たときだった。
リナリーが【黒い靴】を発動したまま
オレ達の前に降り立った。

膝に手を当て息を整えたリナリーは、
顔を上げた。


.......何だろう、ひどくデジャヴを感じる。


焦って、途方に暮れた顔をしたリナリーが、
今にも泣き出しそうな声で

「リランがいないの。一緒に探して」

と言った。

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