第25章 襲撃
~ラビサイド~
「アクマだッ!!」
椅子を蹴倒して叫んだアレンに、
オレは驚愕した。
「どこだ!?」
目の前にいた神田が、
【六幻】を手に立ち上がる。
「北西部から、大量に.......
何だこれ、こんなのおかしいッ!
こんな大量のアクマなんて...」
「ウジウジ言ってんじゃねェよもやし!!
さっさと行くぞ!!」
団服を羽織り、3人で全力疾走。
街に着いたとき、街は
逃げ出す人々で溢れていた。
空を見上げる。
「なんさ、あれ.......」
冗談かと笑いたくなるくらい
真っ黒だ。
「街へ下りさせる訳にはいきません、
空で全部終わらせます!!」
「りょーかいっ」
「「「イノセンス、発動ッ!!!」」」
とりあえずオレは街へ残り、
逃げ遅れた人を守ることに徹した。
空で爆発音が起こる。
「あれ、リナリーさっ!?
そういや2人で街に行くって...
クソッ、リランは逃げただろうな!?」
街へ目を走らせるが、
当然見つかるはずがない。
近くまで来たアクマを破壊し、
青年を弾丸から守る為に
【鉄槌】を振り回した。
「うっ...らぁぁぁぁ!!」
転んでいた青年を助け起こす。
「あ、ありがとう」
「死にたくなかったらさっさと逃げるさ!」
次のアクマへ突進。
壊した瞬間に、別の場所で悲鳴が上がった。
― 間に合わねぇっ...
「【天針】!!」
聞き慣れた声と共に
無数の針が飛来し、アクマを破壊した。
「じじい!!」
「ワシは西、お主は東を守れ!」
「分かったさ!」
駆け出した途端に、雨が降りだす。
「不吉な天気さ...。
無事でいてくれ、リラン」
戦いが激しさを増すごとに、
雨足もどんどん強くなっていった。