第25章 襲撃
~ティキサイド~
辛うじて上げていた顔もがっくり落とし
倒れ伏したリランを見つめ、
俺はため息を吐いた。
この娘の命が尽きるのは後どのくらいなのだろう。
この毒は確実にリランを殺すだろうか。
早く教団の奴らに見つかったら
助かってしまうかもしれないから、
適当なところに放り出して帰ろうと思った。
軽く少年達をからかって、
沈んだ心が少しだけ浮いた。
帰ってきたら、ジャスデビの双子が
トランプで遊んでいた。
「あいつとトランプやんの、
結構楽しかったよな」
「そうだね、ヒッ。
もう二度と会えないんだね」
珍しいことに、
リランに執着していたようだ。
ジャスデビが人間に関心を持つなんて、
クロス、少年の他にあまり知らない。
というか、千年公に怒られるより
この2人が落ち込んでいる方が堪える。
「あのさ、新手のイジメ?」
「リランがいなくて寂しいんだよ、ティッキー。
僕の大事な娘だったのに~」
寂しいという割に楽しそうなロード。
大方、リランが死んだと知った少年達の様子を
楽しみにしているんだろう。
「なあ双子、俺とやる?」
「誰がてめぇとやるかよッ!」
「やるわけないじゃん、ヒッ」
「だけどお前らだと、
ジョーカー交換してるだけだろ?」
「うっせぇ!!」
― 何でこんなに嫌われてんのかね~.......
面白いと言えば面白いが
つまらないと言えばつまらない。
ため息を吐いた俺は、
リランへのせめてもの手向けとして、
白い花をワインで赤く赤く染めた。