第25章 襲撃
ティキを睨むと、彼は肩をすくめてみせる。
「そんな怖い顔すんなよ...」
そう言って、アクマに手を差し出した。
不気味に光る物体がティキの手に乗り、
明滅した。
― アクマの血...毒。
あれで何をするつもりだろう。
見ていると、ティキはその物体に
ふっと息を吹きかけた。
瞬時にその姿が消える。
身構えた瞬間目の前に現れた。
そして、右手に持ったそれを、
私の胸へと突き込んだ。
「げほっ.......」
息苦しさに膝をつく。
ティキが手を抜いたとき、
あの物体はその手になかった。
「な.......にを...」
「おやすみ、リラン。
せめて早く逝かしてやるよ」
哀切を含んだティキの言葉を最後に、
私は............................
― ラビ、助けて.......