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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第25章 襲撃


「大丈夫!すぐにアレン達が来てくれるから!!
 本部にはエクソシストが集まってるんだよ、
 みんなが来るまで私達が頑張らないとダメでしょ!!!」

私がリナリーを元気付けられるなんて。
驚いた顔をするリナリーを、
真正面から見据えた。

「落ち着いて!みんなを助けなきゃ!!」

「分かったわ。ありがとう、リラン」

リナリーがいつものリナリーに戻った。
【黒い靴】を発動させて駆け出す。

それを見送った私は、
大きく息を吸い込んで叫んだ。

「街の外へ避難してください!!!
 ここは危険です、すぐに逃げて!!!!」

大声に驚いた人々は、
徐々にパニックになって喚きながら
走り出した。

「荷物は気にしないで!!!
 逃げることだけを考えて!!!」

怒号が飛び交い、私の声は掻き消される。
私は人波に揉まれて、寂れた空き地に
弾き出された。

「イノセンスを使えれば.....
 この街ごと覆うことができるのに」

祈るように胸元で手を組み、
空を見上げる。

「リナリー...アレン...ラビ...みんな....。
 お願い、死なないで.......!」

チャームに願いを込め、
後ろを振り返った。



「また会ったね、リラン」

「私は会いたくなかったかな、ティキ。
 ...あれはあなたの仕業?」

気配には気付いていた。
それに、大量のアクマを動すなんて、
こんなことが出来るのはノアしかいない。

「千年公の命令でね。
 歌姫を...」

「またさらってこいって?」

「いーや、殺せって」

目を見開いた。

「あなた達にとって、私は
 切り札なんじゃなかったの?」

「こっちに来てもどうせ歌わないんだろう?
 そっちには14番目がいるからな、
 役立たずで俺達にメリットが無いなら
 殺せって話だった」

「く.......」

ティキの背後にアクマが現れる。
イノセンスを使えない今、
本当の本当に絶体絶命だ。

それでも幸いにティキとアクマからは
20m以上離れている。

私は身を翻すと、逃げ出そうとした。

ドーン!

その行く手を阻むように
アクマの弾丸が放たれた。
逃げる人々に当たり、数人が消える。

怒りが沸き上がった。
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