第24章 クリスマス
隅にしゃがみこんで、
吐き気を我慢する。
「うっ...え.....ぅ....」
目の前がチカチカした。
ギルバートの絶叫と、
死ぬことが信じられない、という彼の顔が
代わる代わる現れる。
罪悪感、自己嫌悪、その上にイノセンスを
使えないという事実が
私を打ちのめした。
ダメだと分かってるのに、
負の感情が止まらない。
悪いクセだ。
昔から、負の感情だけは制御がきかなかった。
「ごめんなさい...」
こんなとき、傍にいてほしいのは.....
やっぱり彼しかいない。
「何やってるんさ。死にそうな顔しちゃって」
深い安堵が心に広がる。
呆れたような、諦めたような、
そんな優しい声。
温かい大きな手が、
背中をゆっくりさすってくれた。
「やっぱり私...ラビがいないとダメだ。
きっと無理。
自己嫌悪して、生きたくなくなって...。
ラビ、私を支えてくれなきゃ嫌だよ」
自分のことを、これほど弱いと思ったことはない。
こんなにも私は不安定だったのか。
「傍にいて...お願い。
私が下を向くたびに、上から照らして。
ラビが好きで、必要で、ラビじゃないとだめなの。
それで、それで....ラビの孤独を埋めたい。
私が、ラビとみんなの架け橋になるから。
世界の未来とかそんな選択はしない。
選ぶべきは世界でも、心はラビを選びたいよ。
私はラビといたい。
それじゃ.....だめ?」
これで拒否されたら、諦めよう。
そう思った。