第24章 クリスマス
「リラン、...楽しい?」
ふと、コムイさんが優しい目をして
聞いてきた。
「当たり前っ!」
心から笑えば、
背後からもっと大きな笑い声が上がる。
振り返ったら、
科学班が中心になって
男同士で踊っていた。
「ぶふっ、何あれ~ww」
着ぐるみのトナカイジョニーと、
リーバーサンタが飛び跳ねている。
その2人を囲んで
大盛りあがりしているのは、
普段厳しい顔しかしていない
ファインダーだ。
思わず、ギルバートのことを思い出した。
― ギルバートだって、本来なら
ここで一緒に笑ってたんだ。
私のせいで.......。
ティキによって抜かれた心臓が、
リアルに甦る。
「リラン?顔色悪いよ?」
リナリーに聞かれ、
私は我に返った。
「あ...ちょっと、食べ過ぎたみたい。
風に当たってくるね」
言い置いて廊下に出る。
教団中の人がほとんどパーティーに
出払っているせいか、
通路に人気はなかった。