第24章 クリスマス
今日はクリスマス♪
そして、アレンの誕生日だ。
コムイさんは、昨日から
盛大なパーティーを開催してくれていた。
「メリークリスマス!あーんど、
ハッピーバースデイ、アレンくん!!!」
「「「ハッピーバースデイ、アレン!!!」」」
クラッカーを鳴らし、全員で声を合わせる。
「誕生日おめでとう、アレンも16歳だね♪」
「ありがとう、リラン」
アレンが、はにかんで微笑んだ。
食堂の飾り付けもクリスマス仕様で、
それぞれも思い思いに着飾っているので
とてもカラフル。
私も、リナリーにオススメされた
緑のワンピースドレスを着ていた。
リナリーは赤いワンピースで、
その他はワンポイントプラス。
三角帽子やポンポン、着ぐるみを着て
踊っている。
「ふふ、みんな楽しそうだね」
「うん、今日くらいは羽目を外して楽しもう」
そう言うと、アレンが
私に向かって手を差し出した。
「踊っていただけますか?」
アレンのキメ顔に、私は思わずぶっと吹き出した。
さりげなく視線を会場に向け、
ラビが神田と楽しそうに話しているのを
見て目を細める。
そして、アレンの手を取った。
「よろこんで♪」
一曲踊る。
娼婦時代に一通りの芸は仕込まれたから、
むしろアレンより上手に踊れた。
クルッとターンして
会場のど真ん中でポーズを決める。
わああっと拍手が起こった。
コムイさんに言われていたのだ。
「リランは今、リランのことを
よく知らない人間に反感を持たれてる。
だから、はしゃげばはしゃぐほどいい。
ごく普通の少女というところを
アピールしてくれ」
確認するまでもなく、
みんなの目は以前と比べようがないほど
とても優しい。
少し上がった息を整えつつ、
リナリーとコムイさんに寄っていった。
「リラン、ダンス上手なのね!」
「ありがとうリナリー^^
良ければ教えるよ?」
「本当?嬉しいわ!」
リナリーは可愛いらしく手をあわせて
飛び上がる。
すると、コムイさんが割り込んできた。
「リナリーを誰と踊らせる気だい?」
「コムイさん」
呆れて睨むと、コムイさんは笑って誤魔化した。