第23章 この想いをあなたに
~リランサイド~
教団を取るか、ラビを取るか?
違う。
人類の、世界の未来を取るか、ラビを取るか。
束の間の幸せで、全ての未来を閉ざす?
もしもの話であっても、
それはあまりに重い選択だった。
― 私には、その選択しかないって言いたいの?
そんなもしもの話なんて、私はしたくないっ!!
でも.......
どちらにしろ、ラビは言った。
「リランを選ぶことは絶対ない」
.......泣きそうだ。
「...好きなくせに選ばないって、
何それ.......。
ずるいじゃん、ラビの馬鹿っ。
他の人を好きになることが出来ないじゃん」
好きになれるとも思わないが。
私のことを好きでいてくれるなら、
いつか選んでくれるかもしれないと
期待してしまうから。
「もし、私に恋人が出来たらどうする気?
黙って見てるの?
...絶対、このままじゃ終われない」
むしろ闘志を燃やして、
くるりと振り返った時だった。
目の前に、大きな塊がいた。
「は?」
見上げる。
高さ10m以上はありそうなロボットが、
私のことを見下ろしていた。
「敵発見。確保シマス」
「え?」
いきなり音声が響いたかと思うと、
ロボの両脇から手のような物が伸びてきた。
私をぐるぐる巻いて捕まえると、
持ち上げる。
「ちょ、ちょっとちょっと!!
何こ...むごむごっ!?」
叫ぶ途中で口も塞がれた。
じたじたしようとしても、
ぐるぐる巻きの状態だから動けもしない。
新たな腕が伸びてきた。
先端に取り付けられているのは...注射器?
「むっご!むごむごむご!?
(待って!何するつもり!?)」
抵抗も虚しく、首筋に注射器を打たれる。
すぐに意識が遠のいた。
― 中身は.......麻酔..........
私は深い眠りについた。