第23章 この想いをあなたに
~ラビサイド~
何を言いたいのか、自分でも分からなかった。
― 最低だな、オレ..........。
ただ、これ以上リランに近付いてはいけない
ということは分かっている。
自分だけが仲間じゃないという疎外感を、
リランはあっさり埋めて近付いてくるから。
― でも.............。
そのリランを手放したくないのも、
本音だった。
本当にオレを好きなら、仮初めでも
傍に置けばいい。
心ない愛情でも、リランは喜んでくれるだろう。
リランは自分の過去を受け止めて、
孤独を埋めたいだけなのだから。
ほ ん と に ?
頭の中で響いた声に、
オレは思わず目を見開いた。
「ラビ?」
訝しそうに顔を覗き込むリランを見て、
言葉が口をついて出る。
「何で、オレを好きなんさ?」
その言葉に、リランは考え込んだ様子もなく
あっさりと、
「ラビのおかげで、私は今生きてるから。
私の闇を、ラビが払ってくれたんだよ。
私はもう孤独じゃない。
でも、ラビは?ラビは、孤独でしょう?
そう思ったら、傍にいてあげたいって思った」
孤独じゃない。
その言葉に胸を打たれた。
― ホントにオレ、なんて最低なんさ.......
さっきリランにぶつけた言葉を思い出して
後悔の念が押し寄せる。
「居場所作りのつもりでオレに告ってんならやめて」
居場所?
無いのは自分じゃないか。