第23章 この想いをあなたに
「私...ラビが好き。
ずっと、一緒にいてほしいの」
微妙にラビの顔を見れない。
ラビが、私の前に向き直った。
「そんなん無理さ」
冷たい言葉に、顔を上げる。
ラビは、無表情に私を見下ろしていた。
「あの.......」
「さっきの好きっていうの冗談さ。
本気にした?
...そういうことだから、じゃ」
くるりと背を向けて、
立ち去ろうとするラビ。
私は、震えた。
でも、震えてばかりじゃ何にもならない。
「そんなの嘘だ!!
そんな顔してなかったッ!
どうして、どうしていつも本心を隠すの!?
どうしてッ...そんな哀しい顔するの...?
私の気持ちはすぐ聞き出しちゃうくせに...。
ラビの本当の気持ちが知りたいよ......」
叫びは泣き声に変わり、
ラビは立ち止まった。
肩ごしに顔だけ振り返って、
悲しげに笑う。
「じゃあ聞くけどさ、オレはどうすればいい?」
「へ...?」
「リランとは付き合えない、
これじゃ満足しない?」
「それは...嫌いではないってこと?」
ラビは無言だ。
つまり、肯定しているのだろうか。
― ラビは、何が言いたいんだろう...
疑問に思って首を傾げる。
「リランは教団に必要とされてるさ。
居場所作りのつもりでオレに告ってんならやめて」
「っ!?そんなつもりなわけないでしょ!」
「リランには他の男がお似合いさ...。
アレンとかな。歌姫なんだし」
「歌姫のことは、今関係ないじゃん!
ラビ、一体何が言いたいの?」