第23章 この想いをあなたに
~リランサイド~
「誰でも...良いわけないじゃん...馬鹿ラビ.......」
膝を抱え、ぶつぶつと呟く。
「私のこと好きって...本当かな」
でも、ラビは言っていた。
「リランが好きなのはオレじゃない」
― じゃあ、誰だと思ってるのかな...?
アレン?は...同い年でも
そんな目で見たことないし...。
神田?はあんま関わんないし...。
そりゃ、強くて美形だけどさ?
「クロウリー、とか?まさかね。
コムイさんはリナリーだし、
リーバー班長は無いかな...」
( 班長、無念... by作者 )
他に思い付く男を思い浮かべてみるが、
全く心当たりがない。
「ラビ一筋だってば.......」
ふてくされて言う。
しばらく座っていたけれど、
なんだか悩んでいるのが馬鹿らしくなってきた。
「復讐に生きる、か...。
適切ではないかなぁ」
復讐に生きてきたつもりはない。
強いて言うなら、生きる意味を
見つけたかったから。
居場所と、生きてもいいという言葉が
欲しかったから。
その奥底に、憎しみがあったとしても...。
いや、『復讐する』ことを
生きる意味にしていた
ところもあるかもしれない。
色々考えながら、
鍛練に行くつもりで
トレーニングウェアに着替える。
「憎しみを捨てれる...かな」
今まで、生きる意味を
与えてきてくれたものを。
― ....ラビと一緒なら..........?
幸せになって、私を傷付けた人間を
笑い飛ばしてやることが
出来るようになるだろうか。
「次は、しっかり告白しよう」
パンッと頬を叩き、割れた鏡を見る。
「あ」
忘れていた。
「リナリーに謝らなくちゃ.......」