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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第23章 この想いをあなたに


           ~ラビサイド~

部屋を出て、ドアをパタンと背中で閉める。
そのまま寄り掛かると、
オレはあまりの情けなさに顔を覆った。

抱いてと言われた時に少しだけ
嬉しく思った自分が恨めしい。

「まさかリラン嬢に
 手を出してはおるまいな、ラビ」

聞こえてきた声に
顔を上げると、ブックマンがいた。

「...出してねぇよ。つかじじい何でここにいんの?」

「お前は最近自分の立場を忘れがちだからの」

自分よりはるかに背の低いブックマンを
無言で見下ろす。

「お主は...」

「はいはい分かってるよ!」

「分かってはおらぬな。
 何度でも言ってやろう。
 お主はブックマンの後継者じゃ。
 それ以上でも以下でもない。
 他人に必要以上の干渉はしてはならん」

「...分かってる」

しかし、ブックマンはなおも
オレに向かって話し続けた。

「お主、リラン嬢に心を向けておらぬか?」

「向けてねぇ」

「まさか...本気か?」

言い返さずに黙ると、
ブックマンはそれを肯定と受け取ったようだ。

「...一度、教団を離れた方が良いかもしれぬな」

「はぁ!?記録はどうするんさ!?」

「馬鹿者。お主が気を付ければ良いだけじゃ」

つまり、リランを諦めなければ
教団を出ていくと言っているのか。

「...んっとにえげつねぇな、クソじじい」

「何じゃ?何か言ったか?」

苦笑いをしてブックマンに背を向ける。

「言いたいことは分かったさ。
 これからは気ぃ付ける」

やけ食いしてやる、と思いながら食堂へ向かった。
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