第23章 この想いをあなたに
~リランサイド~
私は、思う存分泣いていた。
泣きながら、鏡の破片を手にした。
― いっそ、この腹を突き破ってやろうか...
自暴自棄になって、また鏡を割る。
「何してんさッ!!」
突然怒鳴り声が響き、
びくっと体がすくむ。
すぐに、冷えきっていた体が
温かくなった。
「手、見して」
私を抱き締め、震える声でそう言ったのは
ラビだった。
素直に拳を開くと、
ラビは私が握り締めていた破片を取り、
私の手を引っ張って鏡から離れさせた。
「リラン、...何しようとしてた?」
「別に何も.......」
「とりあえずこれ着て」
そう言って渡されたのは、
脱ぎ捨てたワンピース。
「嫌」
首を振って拒否すると、
今度は頭に毛布をバフッと乗せられる。
「風邪引くから...頼むさ」
心底弱っているような声で言われ、
私はため息をついて毛布にくるまった。
「なあ...何があったんさ?」
「何があった?見れば分かるでしょう?」
「いや、そうじゃなくて...。
こうなった原因は?」
ラビの問いに、私は苛立ちが増すのを感じた。
「どうしてラビに言わないといけないの?
これは私の問題だからほっといて!」
言い放てば、ラビは黙り込んだ。
傷付けるつもりは無かったけれど、
落ち込むラビを見たくなくて顔を背ける。
「......関係なくなんかないさ。
何があった?頼ってくれって言ったろ?」
「っ.................。ズルい。
今、そんなこと言われたら...
1人で立てなくなるじゃん.......」
顔を覆って、泣くのを堪える私の頭を
ラビが撫でた。
言葉を促すような仕草で、ポンポンと叩かれる。