第21章 壊れる
「もう、ゲームは始まってんだよ。
今はリランちゃんと俺達のゲーム、かな?」
「ふーん?」
「クリスマスまでに壊せるかどうか...
なあロード、俺と賭けない?」
誘ってみたが。
ロードはつまらなそうにリランを眺めた。
「壊すよ」
そして、ぞくっとするくらい冷えた声で、
ロードは一言、断言した。
思わず笑みを引っ込め、
ロードの横顔を見つめる。
「リランは好きだし、気に入ってるけど...。
千年公にお願いされたら壊すしかないよね~」
さっきまでの冷たい声が嘘のように、
いつも通りにふざけた調子で笑うロード。
「でも、ティッキーがアレンとゲームするなら、
僕も参加したい~♪
壊れたリランを見て、アレンは何て言うかなぁ~♪♪」
「相変わらず、歪んだ夢を見るね~...」
苦笑した俺は、すっと立ち上がった。
「ロード、そろそろ行くよ」
「はぁ~い!
リラン、今日壊れるかなぁ?」
「お、俺と賭ける?」
「キャハハハ!賭けない!」
笑いながら駆け出したロードが
リランに抱きついたのを横目に、
俺はシルクハットを被った。