第21章 壊れる
「...ふざけてるさ」
吐き捨てた。
リランは無事らしいが、
心が持つ保証がない?
精神を壊されようとしているのか。
「ということだ。少年達、というのは
アレンくんやラビを指しているんじゃないかい?」
「敵さんがご指名だろうなかろうと、
オレはリランを助けに行くさ。
元々、こうなったのはオレの力不足だから...」
アレンはもちろん、リナリーも付いてくる
つもりのようだ。
「ラビだけの責任じゃありません。
僕らだって、付いていながら
ノアにしてやられた。
それに、ティキ・ミックはファインダーを殺している。
許すつもりはないです」
15歳でオレより年下のくせに、
随分カッコいいことを言う奴だ。
「私だって、そうよ...。
リランを辛い目に合わせてる」
リナリーは視線を落として呟く。
でも、揺るぎない口調は
決意に満ち溢れていた。
「じゃあ、捜索は一応このまま続けよう。
クリスマスには、アレンくん、ラビ、リナリー、
それに神田くんで行ってもらうよ。
3人は、失敗を取り戻してくるんだ」
コムイの言葉にそれぞれ頷く。
「...みんな、頼みます」
全員は頭を下げたコムイに微笑み...
リラン奪還のために再び動き出した。