第21章 壊れる
~ラビサイド~
リランがさらわれてから3日。
教団は、総力をあげてリランを捜索していた。
俺も、ほとんど寝ずに探し回っていた。
コムイから連絡が入り、
急いで本部へ戻ってきたところだ。
司令室へ入っていくと、
すでにコムイを始めとして
アレン、リナリー、神田、
そしてミランダとマリの姿があった。
また、科学班の姿も。
全員憔悴し、疲れたような顔をしている。
神田はいつも通りだが。
「コムイ、新しい情報が入ったって...!」
「ああ。ベルギーの街で、
ファインダーの死体が見つかった。
彼は電柱に吊るされた状態で発見され、
心臓が抜かれていた」
「まさか...」
全員がコムイを見つめた。
「間違いなく...ノア、ティキ・ミックの仕業だ。
そして......彼の手に、手紙が握られていた」
「手紙...」
「内容は、こうだ」
『親愛なる黒の教団殿
歌姫は大事に扱っている。
この手紙は挑戦状だ。
彼女を返して欲しかったら、クリスマスの夜8時に
イギリス、ロンドン橋へ来い。
ゲームをしようぜ、少年達♪
そして、これは忠告だ。
チャンスはクリスマスの1度のみだが...
それまで歌姫の心が無事な保証はない。
美しいガラスの小鳥を壊すのは忍びないが、
彼女の心が持つことを祈ってな。
ティキ・ミック』