第21章 壊れる
~ノアサイド~
「言うこと聞かないからって
壊しちゃえなんて、
千年公もけっこうひどいなぁ~」
「ロードが言う?それ」
キャンディをぷらぷら揺らし、
ため息をつくロード。
「僕、あのままのリランを気に入ってるのに~」
「...俺も」
それを聞くと、ロードはニヤリと笑って
ティキの頬を突っついた。
「あっれぇ~?ティッキーったら、同情ぉ?」
「うるさい。つつかんでいい」
ムッとしてロードの手を振り払う。
「で?もう用は済んだでしょ~」
「.......ああ」
日の出と共に、太陽の光が差す。
照らされたのは、電柱に吊るされた
ギルバートの姿。
タバコの煙を吐き出し、
憂いを漂わせるティキ。
「帰ろう、ティッキー。リランが待ってる」
「千年公も待ってるぜ」
「.......アレン、怒るかなぁ?」
「そりゃ、少年は怒るさ。
ただじゃすまないかもな」
「それも楽しみだけどね.......」
朝焼けに背を向け、
2人のノアは暗闇へ消えていった。