第21章 壊れる
「どうしてッ!!どうしてッ!?
なぜ殺したのッ!?」
「どうしてって...そういう約束だったろ?」
「助けるって!!」
「助けるとは言ってないかな~」
「最低ッ!!!許さないッ!!!」
怒りで目の前が真っ赤になった。
「許さない?じゃあどうする?
俺を殺す?殺せる?」
「そんなのッ!!!そんなの.......」
涙が溢れる。
「分かんないよッ!!!!!
殺せないし殺したくないのにッ!!!!!」
床に伏せ、泣き声を必死で押し殺そうとした。
「私の中の憎しみを溢れさせないで.......。
怖い.......怖いよ...誰か助けて..........」
幼い子のように啜り泣き、
支離滅裂な言葉を口走る私の背中を、
ロードが優しく撫でた。
「可哀想に.......。
耐えちゃったんだぁ。
耐えなくていいよ...壊れて、リラン。
僕が、君を壊すから。
怖いことなんてないよぉ。
僕がいるからね.......」
「どっちも悪趣味だな」
「ホントホント!ヒヒッ」
呆れたように言うのは
ジャスデビだ。
ロードは私を促して立ち上がると、
椅子に座らせた。
「お水持ってきて、ティキ」
「え?俺?」
「早くぅ~!僕の娘が可哀想でしょぉ~!」
「や、意味分かんないから」
アクマのメイドを呼び寄せ、
水を要求する。
私は、ぼんやりとして意識があやふやだった。
差し出された水を受け取り、飲み干す。
そして、そのまま意識を失った。