第4章 黒の教団にて
物凄い数の人に囲まれ、
なんか大騒ぎに
なってしまった。
ー 泣かないで、と
言いたかっただけなのに...。
困惑してる私をよそに、
ラビが大笑いしているのが
目に入った。
「ちょっとラビ!
笑ってないで助けて!」
人にもみくちゃされて、
立っているのがやっとだ。
ラビに助けを求めるべく
声を張り上げるが、
うるさすぎて
ラビに届いているか
分からない。
「もう!邪魔!ちょっとどい...きゃあっ」
人をかき分けようとしたら
背中を押されて転びかける。
前の人の背中に
捕まろうとしたら、
絶妙なタイミングで
目の前に空間が出来てしまった。
ー 転ぶ!!!!
そう思った途端、
右腕を前にグイッと引っ張られた。
そのままの勢いで前に倒れ込む。
ボフッと誰かに抱き止められた。
人込みから引きずり
出されて、ホッと一安心。
抱き止めてくれた人を見上げる。
「ありがと、ラビ」
礼を言うと、ラビはまた
肩を震わせて笑いだした。
「ククククク.......リラン、
面白すぎさ.......」
「もう笑わないで!
てゆーか離して!」
恥ずかしくなって
怒鳴ると、ラビは大人しく
離してくれた。
「おいおい...これ何の騒ぎだよ?」
振り返ると、
「リーバー班長!どうしたんですか?」
「ああリラン、室長が
お呼びだぜ。ラビも。
任務だ」
ボサボサの頭をかき、
リーバー班長は大量の
本を抱え直した。
「じゃ、伝えたからな」
重そうな本を抱えて
歩く班長を気の毒に思いながら見送り、
私はラビと一緒に
コムイさんのもとへ向かった。