第20章 家族
~ラビサイド~
オレは、今日何回目か分からないため息をついた。
街を見回し、リランの姿を探す。
「ここにもいねぇ...どこさ~...??」
トイレに行ってから
一緒に街を回ろうと思ったのに、
肝心のリランがいない。
細い路地を曲がってしばらく歩いていたら、
街から出てしまった。
「あっれ~?おかしーなぁ」
首を傾げる。
ふと左を見たら、
数人が建物の裏に立っているのが
目に入った。
「ラッキー、道聞いてこよっと」
ルンルンで近寄っていく。
人影がはっきり見えてきた頃、
オレは駆け出していた。
「リラン!!!!」
叫ぶと、リランを抱えた
ティキがオレに気づいた。
あの双子のノアもいて、
銃口をオレに向けてくる。
「あれ?眼帯くん?
なーんでここにいんの?」
「うるせェこのほくろ!!
それはこっちのセリフだ!!
リランを離せ!!」
【鉄槌】を手にし、振り上げる。
「火判ッ!!!!」
「おわっ!?おいおい、お嬢ちゃんいるのに
いいのかよ?」
火の蛇を避け、飄々と着地。
「「装填っ☆」」
カチャッ...と音がした。
「なっ...」
「「青ボム!!」」
飛び退くと、その場所が凍った。
「くそっ、ノアが3人か...」
無線ゴーレムを見上げる。
「アレンに伝えてぇけど...
ここどこか分かんねぇさ.......」
歯噛みしたとき、ティキの目の前に
方舟のゲートが現れた。
「遊びは終わりだな、眼帯くん♪
少年にもよろしく伝えといてくれよ」
「クロスの弟子!次会ったらぜってぇ殺す!!」
「その前に借金払わせるよ、ヒッ!」
「待て!!リラン!!!!」
無情にもゲートは目の前で閉じ、
消えた。
「また.....また、リランが
敵に..........オレは何をやってるんさ!?」
地面に拳を叩き付け、
悔しさに唇を噛む。
「ラビ!!なぜこんなところに?
リランを知りませ...ラビ!?
何かあったんですか!?」
後ろから聞こえたのはアレンの声。
【鉄槌】を手のひらサイズに縮めると、
オレは立ち上がってアレンのもとへ走った。