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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第19章 過去のトラウマ


「二度と...二度と、自分を売るような
 行為は止めてくれ!!
 体どころか、命まで危険だっただろう!?」

言い返せなくて、唇を噛んで俯く。

「君は、大事な家族なんだ......」

コムイさんが、腕を伸ばして
私を包み込んだ。

一瞬、その温かさにすがりかけたけれど。

次の瞬間、私はコムイさんをドンッと
押し退けていた。

「...でも、子爵の投資だって大切でしょ?」

「何を言って...」

「私が本当に大切なら!
 投資を止めると言われた時、
 固まったりしないでしょ!?」

「そんな.....」

傷付いたコムイさんを見たくなくて、
俯いたまま声を絞り出す。

「分かってる...コムイさんは
 教団を守るべき人だから、
 私の為だけに重要なサポーターを
 失いたくない気持ちは.....
 だけど...」

子爵に会って混乱しているだけだ。
気持ちがめちゃくちゃになっている。

この先は言うべきじゃない。


でも、もう。


言葉は止まらなかった。



「私、本当に家族になれてるの...?
 それが分からない。
 人間は信用出来ない。
 みんなは信じたいと思った、だけどっ.....!」

涙が溢れる。
心の叫びは、口から小さな呟きとして
漏れ出た。


「教団にとって大切なのは、
 『私』なの、それともイノセンスと
 歌姫の力なの....?」
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