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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第19章 過去のトラウマ


怯える私を嘲笑うように、
いたぶるように顎を掴みあげる。

「こんなところで再会するとは...
 思ってなかったぞ?
 生きてたのか.......」


生きていたことを馬鹿にするような口調。
実際、子爵の目は嘲りに満ちている。

「よくあれで生きていられたなぁ?
 何歳になった?あれから何年だ?
 お前は今何をしている?」

「エ...クソ...シスト」


辛うじて、憎悪を視線に込めて
睨み付けた。


「エクソシスト?お前が?
 なあ、ユーリア。
 お前がなれるのは薄汚い売女だけだろ」

「ち...がう。私は...エクソ...シスト」
「いーや、違うな。穢らわしい女め。
 ここの連中を惑わしたのか?
 この汚ない体で?」


押さえ付けられていた体が、
子爵によって引っ張り上げられた。
そのまま、着ていたワンピースを腹の辺りまで
破かれる。

「うっ.......」

「ほお、さらに汚ないな。
 私に付けられた傷はまだ残っているじゃないか」

お腹に微かな痛みを感じた。
子爵が、爪を立てている。

「止めてください。彼女は僕達の
 仲間です」

「これは私達の話だよ。
 ほら、そこの赤毛君?
 キミちょっと離れててくれ。
 邪魔だよ」

「てめぇ、さっきから...」
「ラビ」

私は止めようとするコムイさんと、
ラビを制した。

「いい。大丈夫。」

「でも.......」

なおも言い募ろうとする
ラビを無視して、私は子爵を睨み付ける。

「面白い目だ。一旦は壊れて、
 元に戻ったか?」

「あの時とは違う。私には、貴方に抗う力がある」

「意思は無いだろう?
 お前に植え付けた恐怖は、
 力を持ったくらいで払えるものじゃない」

図星で、震えそうになる体を
必死に抑え込んだ。

「それはどうかしら?
 さっき、私は貴方を殺そうとした」

「だからどうした?
 殺せてないぞ?
 殺せるもんなら殺してみろ。
 私は教団にとって重要なサポーターだけどな。
 .......ああ、そうだ」


喋る途中で、子爵は突然ニヤリと
笑った。
あまりにも見覚えのある
笑みに、私は思わず体を震わせた。

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