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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第19章 過去のトラウマ


頭が、憎しみで溢れる。



「え?知ってるや.......」


ラビが何か話し掛けてきたけれど、
私は構わずにイノセンスを発動した。

「おいリラン!?」


制止も聞かず、剣を握り締めて
走り出す。



「何で...何で!あなたがここにいるの!?」



驚いた顔をした子爵と、コムイさん。
そのまま一気に肉薄しようとしたけれど、
コムイさんの対応は早かった。



「ラビ、リランを押さえるんだ!」



声と同時に、視界が回る。


「うっ.......」


一瞬のうちに、ラビの手で床に押さえ付けられていた。

カラン...と剣が手から落ちる。


それでもなお、イノセンスを
発動しようとしたとき、
耳元で怒鳴られた。


「やめろ、リラン!何する気さ!?」


怒鳴られたことで、殺気が萎えた。


「おいおい...お前、まさか...」

子爵の声。
辛うじて顔を上げると、
驚いた顔をした子爵は、
嫌らしい笑みを浮かべた。


「まさか、ユー...」

「違う!!!!」

叫ぶ。
その先は、言わせたくなかった。

「お前はユーリ」
「違う!違う違う違う!!!!」

突然始まったやり取りに、
コムイさんもラビも反応出来ずにいた。

「私はリラン!!リランなの!!!!
 ユーリアなんかじゃない!!!!」

声が裏返って、かすれた。
それでも、その名で呼ばれたくない。

「そんな名前なんかっ、ゴホッゴホゴホッ!ゲホッ...」

気持ちが昂り、叫びすぎて
咳き込む。

「久しぶりだなぁ...ユーリア?」

はっきりと、わざとらしいくらいに
発音して呼ばれた。

一気に寒気が走る。

言い様のない恐怖と嫌悪感に、
私は激しく喘いだ。
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