第19章 過去のトラウマ
~リランサイド~
「フォー.......いる?」
壁を見上げて、恐る恐る声をかけた。
「どうしたんだよ、いきなり」
すぐに現れたフォーは、
私の顔を見るなり
眉をひそめた。
「何だよ、そのシケた顔は?
なんかあったのか?」
「うん.......」
壁に背中を預けて、ずるずると座り込む。
フォーも隣に座ると、私の頭に手を置いた。
「詳しくは聞かねぇけど...そんな落ち込むなよ」
事情が薄々分かっているのだろうか。
優しいフォーの言葉に、
我慢していた涙が溢れた。
「...ふ.......ぅ...」
「泣くなよ」
フォーの困った声。
泣き止もうとしても、
涙は止まらなかった。
「私...いらない子かな...。
必要ない?」
「いらねぇわけねぇだろっ。
リランはあたしらに必要なんだ」
段々、眠くなってきた。
精神的に疲れ果てていたから。
「嫌...嫌だよ.......何でもするから
捨てないで..........」
「.......け...ろ!!ば...め...!」
フォーの声が届かなくなる。
迫る闇が怖くて、
私はフォーの手を握り締め、
意識を手放した。