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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第17章 ノアの方舟


          ~ラビサイド~


「アレン!!!リラン!!!」

オレは、すぐ部屋に飛び込んだ。

リランは、この歌を繰り返し、
2回目を歌っていた。

「大地に垂るる幾千の...夢...夢...♪」

「ラビ!リランを止めてください!」

アレンが必死の形相で叫ぶ。

しかし、異常な揺れでオレは
動けなかった。

「アレンくん!」

「無事か、小僧!」

そのオレの背後から顔を出したのは
リナリーとブックマンだ。

「じじっ...何でここに!?」

オレのことは意にも介さず、
ブックマンは部屋の様子を眺める。

リランに目を留めると、
目を細め...見開いた。

「ラビ、リラン嬢を止めるのじゃ!
 最後まで歌わせてはならん!!」

「なっ、どういうことさ!?」

「つべこべ言わずさっさと
 止めんか!!」

ブックマンに一喝されたオレは
揺れの合間にリランへ近付いた。

肩を掴み、揺さぶる。

「リラン!!どうしたんさ!?
 歌を止めてくれ!!!」

目を伏せたリランに呼び掛けると、
彼女はうっすら目を開いて
オレを見た。

いつもはオレンジ色の瞳が、
真っ赤に染まっている。

感情のない無い瞳がオレを映す。

「リラン.......」

その瞳に怯んだオレは、
微かに息を飲んだ。

「幾億の年月が...いくつ...祈りを...
 土へ還しても...♪」

リランの唇は綺麗な歌声を
紡ぎ出している。

「ラビ!!!!」

ブックマンの厳しい声が飛んだ。

オレは止める方法を探して
リランの手に目を留めた。

胸元で組まれた手から、
淡い光が漏れ出している。

オレはすぐにリランの手を開かせた。

「これ、リランの...」

ペンダントが光り輝いていた。

オレは躊躇うことなく、
ペンダントをリランの首から
引きちぎった。

「どうかこの子に♪.......」


リランの歌声が途切れた。

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