第16章 日常
「私どのくらい寝てました?
お腹の傷とか、酷いですか?」
「昨日の夜運び込まれて、
今は昼だから...半日くらいかしら。
お腹なんて、後少しで出血死するとこ
だったくらい酷いわよ。
よく生きてたわね?
あ、それと鎮静剤打ってるから
今は痛くないでしょうけど、
少しでも痛みだしたら言ってね。」
私はコク、と頷いた。
「あ、あと1週間はベッドから
出ちゃダメよ!」
ずいっと目の前で言われ、
目を瞬く。
「治るまでどのくらい
かかります?」
恐る恐る聞くと、
婦長は服をたたみながら
「そうね...2週間くらいかしら。
幸いなことに骨折とかはなかったから。
その間は絶対安静よ。
病室から逃げ出そうとしたら、
とてもしみる薬を傷口に
すりこんであげるわ」
「絶対抜け出しません」
淡々と言われた言葉に恐怖する。
― でも、アレン達に会えないのは
寂しいな.......。
そんな心を読んだのか、
婦長がため息をついた。
「どうせ毎日お見舞いにきてくれるわ。
それこそ1日中だって病室に居座るし」
「そうですかね.......」
ふっと笑うと、婦長も微笑んだ。
もう一回私に注意した後、
婦長は病室から出ていく。
私は、布団を顔まで
引きずりあげて目を瞑った。
― 3日も.......つまんないな...。
さっきまで見ていた夢の、
嫌な感じを思い出す。
寝たくないと思ったけど、
案外あっさり私は眠りに落ちた。