第15章 ノアとの遭遇、その後
俺は、マディナを見た。
「アクマは、そういう奴に
呼び戻された魂なんだよ。
千年伯爵ってのにそそのかされて
愛する者の魂を呼び戻し、
殺戮兵器にさせられる。
あのアクマ共は全部そうだ。
嫌々殺させられて、
泣いてるんだとさ」
淡々と語れば、俺達の敵について
薄々理解できたようだ。
そして、俺をじっと見返してくる。
「あなた達は.......?」
― 嫌々戦わさせられてるか
どうかってことか?
「全員、自分からやってる。」
「え.......」
「...それぞれ守りたいもんを
守ってんだよ」
説明不足か、と言葉を付け足した。
「そう.......。
もう、娘を生き返らせよう
なんて考えないわ」
そのとき、
俯いて顔の見えなくなった
マディナの背後のドアが開いた。
「神田......もうじき、村の広場に
アレンくんがゲートを開くわ」
リナリーが顔を覗かせて言う。
「分かった。こいつは俺が連れていく」
チラッとリランをみやる。