第4章 黒の教団にて
暗い底に、灯りを見つけた。
「誰ですか、あの人達.......」
黒いローブで全身を覆った人が
数人、重々しく座っている。
「大元帥の方々だよ。
ヘブラスカ!
この子を見て欲しいんだ。
リランという子なんだ。」
私に答えたコムイさんは、暗闇に
呼び掛けた。
私はその視線を追って
目を向ける。
「えっ、何物...??
これが、ヘブラスカ...!?」
白い、透き通るような
大きい生き物がいた。
ポカーンと口を開けていると、
白い触手が伸びてきて
私を捕まえて持ち上げた。
「え、何、離して!!
私をどうする気!?
コムイさん!」
私はおぞましくて暴れた。
何もかもを調べられて、
心の中すら覗き込まれている
感覚がした。
コムイさんを呼ぶけど、
彼は私を見向きもしない。
「ヘブラスカ、どうだい?
新しいイノセンスなんだ。
君のお気に召すかな?」
すると、白い生き物...ヘブラスカが
私に囁くように語りかけた。
「大丈夫....私はあなたの
イノセンスを知ろうと
しているだけだ.......」
落ち着いた、優しげに響く声に
私も徐々に身を任せていた。
なんとなく、女性のような
雰囲気があるし。
力を抜いた私に、
ヘブラスカが額を合わせた。
「6%...52%...85%...91%。
91%が、シンクロ率の
最高値のようだ。
かなり高いな.......」
ヘブラスカの言葉に、
コムイさんが満足そうな
顔をするのが見えた。