第14章 新たなノアとの遭遇
少女は今にも倒れそうな
様子で踏ん張って立つ。
アクマがほんの僅かに手を止めた。
しかし、無情にも剣は振り下ろされた。
目の前に真っ赤な血がパッと散る。
「あ...あああ.......!!」
ゆっくり倒れていく少女に
必死で手を伸ばした。
「クソッ!遅かったか!」
顔をあげれば、黒髪の少年が
アクマを斬っていた。
バーン!
強い風に顔を伏せる。
「おい!しっかりしやがれ!」
また顔をあげ、
彼の抱える少女に飛び付いた。
あれだけぼこぼこにされたのだ。
骨が何本か折れていても
不思議はないし、
特に最後の切られたところは
ひどいことになっているだろう。
「傷を見せて!
私、父が医師だったから
慣れてるわ!!」
少年は戸惑ったようだ。
渋ったようになかなか少女を
離さない。
「早く手当てしないと危険だわ!」
重ねて強く言えば、
彼は少女を私に預けてくれた。
「頼む」
ぶっきらぼうにそれだけ
言うと、彼はまた駆け出していった。
私はすぐに少女を近くの
家へ連れ込むと、
傷の手当てを始めた。