第13章 新たな任務
~リランサイド~
1日かけて着いた村は、
こぢんまりとした
のどかな雰囲気の村...だったのだろう。
今は、全体にどんよりとした
空気が流れていて、
私は笑顔がひくひく歪みそうになった。
「ようこそ...おいでくださいました。」
もてなしてくれたのは
村長の娘でマディナという女性だ。
30さいくらいに見えるが、
暗い雰囲気のせいで
もっと年を経ているような感じもする。
「アクマが次に来ると
言ったのは、明日ですよね?」
一応、笑顔で聞くと
マディナはこくりと頷いた。
物言いたげな視線が
彼女、そして村人の気持ちを
代弁しているかのようだ。
「...こんな若いのが、って
思ってます?」
つい苦笑すると、
マディナは慌てたように首を振った。
「いえ...少し驚きましたけど」
それきり会話が続かない。
救いを求めて神田を見るが、
無視された。
ー 期待する相手を間違えた.......。
今度はリナリーを見るが、
明らかに困った笑いを浮かべている。
― ああ、誰かこの気まずい雰囲気を
どうにかして.......。
「おい」
突然、さっきまで無視を
決め込んでいた神田が口を開いた。
「村を案内してくれ。
アクマと戦闘になったとき、
どこに何があるか、
大体は把握しておきたい」
驚きすぎて声も出ない。
「お前ら、何だその顔」
「いや...建物への配慮とか、
神田がするんだ、と思って」
「私も少し思ったわ...」
リナリーも大きい瞳をさらに
大きくして呟く。
私達の視線がうざいのか、
神田は思いっきりそっぽを向いた。
「じゃあ、私が案内します。
皆さんついてきてください」
マディナがそう言うと、
部屋のドアを開けて出ていく。
顔を見合わせた後、
私達もすぐ後を追った。