第13章 新たな任務
~ラビサイド~
『おまえは何者か?』
暗闇の中で、重々しく
問いかける声がした。
― ブックマンの後継者。
胸の裡で返す声は
いっそ恐ろしいくらいに
感情がない。
『ブックマンとは何か?』
― ブックマンとは歴史の傍観者であり、
その歴史を記録する者。
ひとところに留まらず、
ありとあらゆる場所を巡り、
さすらい、その目に
歴史を焼き付け、記すのが役目。
『ブックマンとはどうあるべきか?』
― 情を移さず、情に流されず、
様々な人々と言葉を交わし、
何事も無かったように去っていく。
ブックマンに感情は不要。
ただ事実のみを己が私情を交えずに
記さなくてはならない。
『今一度問う。おまえは何者か?』
― ブックマンの後継者。
今は黒の教団のエクソシストでもある。
現在の名は――
ラビ。