第4章 黒の教団にて
にっこり笑って
手を差し出してきた。
「どーも!科学班室長のコムイ・リーです!
教団へようこそ、歓迎するよ♪」
私は慌てて握手した。
ー 明るい人なんだなー
と思う。
「あ、あの、初めまして
私は、えーとリラン
っていいます。
よろしくお願いします」
さっきリナリーに付けて
貰った名前を言いつつ
頭を下げる。
「うん、ところで適合者って話だっけ?」
コムイさん(と呼ばせて貰う)
が、リナリーに聞いた。
「そうよ、多分イノセンス。
ほら、額のところ」
リナリーの話を聞き、
コムイさんは私の額を確認した。
「見たところ寄生型かな...?
でも、どういうイノセンス
何だろう?」
コムイさんの言葉がそもそも
全く分からない。
イノセンスがこの額のやつだとして、
また新しい言葉が出てきた。
ー 寄生型.......イノセンス、の
タイプとか???
「発動してみて貰ってもいいかい?」
コムイさんが聞いてきた。
ー 発動ってつまり、これを動かすんだよね...?
でも、動かすって言っても...
ま、とりあえずやるか!
「はい、分かりましたっ
発動!」
額のイノセンスが輝いて、
私を淡い光が取り巻いた。
.......でも、それだけ。
みんなの顔に訝しそうな
表情が浮かんだ。
「ん?どうしたんだい?
発動出来ない?」
コムイさんがコーヒーを
すすりつつ、首を傾げた。
私は苦笑した。
「武器は、槍...でいいですか?」
その質問の意味が、みんなに
分かっていないようだった。
「どーゆーことさ?
ちょっとオレわかんねー」
ラビも思いっきり首を捻る。
私は自分の手を見た。
ー なんかおかしいのかな.......??
「とりあえず、槍にしますね」
私はそう前置きして、
何もない、空間を見つめた。
小さく呟く。
「歪め、槍よ」
その途端、目の前の空間が
青く輝いた。
歪み、先の鋭い
槍のそれへと変わる。
私は、その槍を手に取ると、
息をついた。
ふとみんなを見ると、
全員目を丸くしていた。
「えっ...なんかおかしい?」