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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第10章 再会


話終えた後、私はちらりと横目で
反応のない神田を見た。


ー アレンとラビはロードの力で
  見たみたいだけど...。
  神田も知らなかったよね。


しかし、神田はいつも通りの
無表情だ。

「リナリー...。私はもう、過去は乗り越えたの。
 だから、可哀想とか辛かったとか、
 言わないで欲しいな」

俯くリナリーの手を取って、
微笑む。

「それに、リナリーが傷付く必要はないよ。
 大丈夫だから...ね?
 良かったら、一緒にお風呂行こ?」

顔を上げたリナリーは、笑顔だった。

「ええ、もちろんいいわ」

「ありがとう、リナリー」

過去を話せて、
私はとてもすっきりしていた。

ラビも、ホッとしたような顔をして、
私にニッと笑いかけてくれた。

すると、アレンが

「あっ」

と何かを思い出したように声をあげた。

「どうしたの、アレンくん」

リナリーが首を傾げる。

「そういえば...リラン、ロードの力で
 いったん正気を失ったのに、
 どうして神田で戻ったんで...戻ったの?」

敬語を使いかけて、やめる。
私はそのことにクスクス笑ってから
神田を見上げた。


「私、あの時は殺らなきゃ犯られると思って
 ロードの夢の中にいた人をみんな殺そうとしてた。
 でもね、神田はその中にいなかったんだ。
 それで、バカか!!って怒鳴られたから
 びっくりしたの」

みんなは納得しがたい顔を
したけど、思い当たることと言えば
これくらいしかなかった。

すると、その様子をにこやかに見ていた
コムイさんが、パンパンと手を叩いた。

全員の注目を集めてから、
コムイさんはにっこり笑った。

「神田君、ラビ、リラン。
 本当に任務お疲れ様!
 それぞれで疲れを癒すといいよ」

その言葉を合図に、
私達は司令室を出た。
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