第10章 再会
「神田は知ってるの?」
リナリーの悲しげな視線を
向けられ、神田がたじろぐ。
私は、ため息をついた。
ー 隠しといても、どうせいつかはバレるし...。
おもむろにコートを脱いだ私に、
リナリーとアレンが驚いた顔をした。
「おい、リラン...?いいのか?」
私の意図を悟ったラビが、
青くなって聞いてきた。
神田も複雑な顔で私を見ている。
ただ、リナリーとアレン、コムイさんは
私の意図が理解出来ないのか、首を傾げた。
コートの下は破れたシャツだ。
私は返事をせずに、
そのままシャツを脱ぐ。
「リラン...!!って、え...?」
リナリーとアレンがぎょっとして
私の体をみんなから隠そうとし、
息を飲んだ。
ラビと神田は、見ないように
顔を逸らしてくれている。
「リラン.......この傷は?」
絶句しているリナリーをよそに、
アレンが真剣な顔で聞いてきた。
コムイさんも隣で腕を組んでいる。
「過去の思い出...って感じかな」
予想以上の反応に苦笑して答える。
アレンはともかく、コムイさんも
その一言で納得してくれた。
私の過去を知ってるんだろう。
教団の情報収集力は侮れない。
しかし、物言いたげに私を
見つめるリナリーは、きっと知らない。
私は、過去を隠さずリナリーに話した。