第2章 【01】バスケ部とちゃうらしい
長い校長の話も、集会も終わり、桃ちゃんと教室へ行く。
道中いろんな人に挨拶したりされたりな桃ちゃんは、人気者なんやなと思った。
そしてそんな桃ちゃんのおかげで教室に着く頃には既に何人か新しい友達も出来ていた。
『桃ちゃんってすごいな!』
「どこがだよ?」
『来たときは教室に入るのドキドキすんな~とか思っててんけど、桃ちゃんとおったら緊張も解れるってゆーか・・・とにかく凄い!』
「そ、そんなに褒めたって何もでねぇぞ!」
なんて照れているのか頭をかき、はにかみながら言う桃ちゃん。
新しく増えている席が僕の席だろうとそこを教えてもらい、鞄等を片していると、先に片し終えた桃ちゃんがまだ来ていない隣の席へ座り話しかけてきた。
「てか蓮って前は大阪に居たんだよな?
どこ中だよ?」
『ん?四天宝寺って中学やで』
「まじかよ!
四天宝寺ってテニス部強いだろ?」
『あ~・・・うん。
あほやけど強いで!
今年も全国行くんやぁ言うてたわ』
「やっぱりなぁ~!!」
中学校名を言った途端、キラキラした目が更にキラキラしたのを見ると、桃ちゃんもテニス部なんやろう。
これでバスケ部やったら面白いのに(笑)
なんて話をしているとチャイムが鳴り、先生も入ってきたので桃ちゃんは席に戻っていった。
「もうみんな知ってると思いますが、今日から同じクラスで学ぶ麻倉 蓮くんです。」
『よろしくお願いします!』
先生に紹介されると立ち上がり、一言だけ笑顔で挨拶する。
すると拍手だけではなくて、「蓮~!!」「あっちゃん!」等と呼んでくれる人たちがいて、くすぐったくも嬉しかった。
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