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【庭球】甘酸っぱいチョコあられ【長編】

第16章 【 12 】意外と頭の良いやつ


合宿2日目

いつもより早めに起床し、朝食を作りに行く。

キッチンには まだ誰も来ておらず、立海大の柳さんが事前に考えてくださった献立を作っていく。

お米を炊き、味噌汁を作っているとキッチンの扉が開いた。

「おはよう。早くから ありがとう!」
『おはようございます! あと魚焼いたらできるんで
もうちょっと待ってください』

顔を向けると そこに居たのは大石副部長だった。
普段から鍵当番で早起きが得意とは聞いていたが、合宿でも変わらないらしい。

「俺も手伝うよ
麻倉君とは ちゃんと話してみたかったからね」

ご飯や味噌汁は一度に作れるが、工数がかかる為 副部長の申し出はとても助かる。

『ありがとうございます!むっちゃ助かります!』

二人で並んで 魚を焼きながら、部活のことや私生活のこと等 いろんな話をした。

副部長と菊丸先輩がペアを組むようになった話
熱帯魚が好きな話など
僕のことをあれこれ聞かれるというよりは、副部長のことをいろいろ教えてもらった感じで 無意識に身構えていた僕の肩も話をしているうちに ほどよく力が抜けて、楽しい時間になった。

魚もあと数匹で焼き終えるという頃に、一年生トリオがやって来た。
「「「遅くなってすみません!!!!!」」」

時計を見ると 一年生たちが来た時間は十分早かった為、まさか僕や副部長がいるとは思っていなかったのだろう。
慌てて頭を下げる三人に『全然遅くないよ』と声をかけ、お皿を並べたり お茶の準備をしたりと手伝ってもらった。

各テーブルに料理を並べ終え 時計を見れば、朝食時間まで あと10分。
朝食フロアには続々と部員が入り 各々着席していた。

「うわぁ!美味しそう!」

ざわざわとした中でも 際立って聞こえる甲高い声。
氷帝のマネージャーだ。

「これ麻倉君が作ったの?」
『うん。僕と大石副部長が作って
堀尾くんたちも手伝ってくれたんだ』

のこのことやってきた彼女に 嫌味混じりで言うが全く効果なし。
それどころか「すごーい!!」なんて言って腕に絡みついてくる始末。
お前の神経の方がすごいわ!!!!!

『大石副部長や堀尾くんたちに お礼言うときや』

素っ気なく言って 彼女の腕を引き剥がせば、楽しかった気分を台無しにしたくない僕は 桃ちゃんたちのところへ向かった。

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