第15章 【11.5】時として子どもは大人より残酷である
『と、まあ 女の嫉妬って怖いなー言う話やな』
暗い空気になるのが嫌で明るく締めようと笑うが
侑くんの表情はツラそうで
「全然笑えへんわ・・・」
と 抱き締められた。
その後の話としては、
鍵のかけられたフェンスは
ズタボロのカラダで登るには高すぎて
普通の人なら誰か来るまで
待ってるんやろうけど
いろいろイかれてた私は
何の迷いもなく飛び降りた。
幸い落ちた先が地面ではなく植木だった為
全身骨折や打撲等で済んだ。
学校側の対処としては
見て見ぬフリをしていた教員たちを解雇。
イジメを繰り返した生徒たちは
殺人未遂や強姦として少年院へ送られたらしい。
だが 彼を好きだと言っていた
あの娘には何の罰もなかったそうだ。
のらりくらりと 周りを騙し 手駒にしたのだろう。
『ほんま 女って怖いよなぁ。。。』
入院を期に転校することになった私は
お世話になったテニス部の先輩たちと
幼馴染にだけ伝えて東京へ越してきた。
『こんな話、誰にもせんといてや?
あと偽ってることも秘密やで?』
一通り話し終えると 大丈夫やとは思うけど
一応念押ししておく。
カラダを離して見た侑くんの顔は
ふわっ と優しい表情で
「言うわけないやん」
と優しく頭を撫でてくれた。
その手がとても暖かく
心地良かった・・・
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