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【庭球】甘酸っぱいチョコあられ【長編】

第15章 【11.5】時として子どもは大人より残酷である


『・・・・・なんでなん。。
なんでそんな優しくすんの。。。』

自分の好きな人たち、お世話になった人たちからの優しさは嬉しいはずなのに。。。
その後に待っているかもしれない事態を想像すると、その優しさは本当に恐ろしく、素直に頷くには酷だった。

「なんでって・・・
俺はもう逃げへんって決めたんや。
蓮の側にいて
蓮が前みたいに・・・
ちゃんと笑えるようにするって決めたんや。」

「財前は本気やで。
珍しく真剣な顔して
俺らに頭下げてきたんやから」
「ちょっ!!!
謙也さん 余計なこと言わんでください!!!」
「なっ!!!余計なことちゃうやろ?!」
「むちゃくちゃ余計っすわ!!!」

「・・・まぁ 俺らも見て見ぬ振りしたん
悪かったと思ってる。ほんま ごめん。
これからは 財前と同じで
蓮ちゃんのこと
守っていきたいと思ってるし
蓮ちゃんに散々なことしてきた主犯を
暴くつもりや」

キャンキャンと隣で言い合う2人を他所に
真剣に話してくれる部長さん。

その空気を感じてか 2人を含め
みんなが真剣な表情で私に向き合う。

こんなこと言われるのも初めてで
想像すらしてなかった展開に
どうして良いのか分からず俯く。


『・・・信じて、えぇんですか・・?』


発した声は 自分でも驚くほどか細く
みんなに聞こえるか微妙だった。
しかし そんな声ですら聞き取り
「当たり前やん!
難しいかもしれんけど 信じてほしい」

「俺、まだ蓮ちゃんに
お願いしとらんけん
俺からのお願いは俺たちば信じること。
そればお願いたい」

顔を上げると優しい顔でそう話す先輩。

『・・・わかりました』

まだ 不安に思うところはあるが
この人たちなら・・・
と信じてみたい気持ちに後押しされた。


この日から私のそばには
彼や先輩たちの誰かが
いつも いるようになった。
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