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【庭球】甘酸っぱいチョコあられ【長編】

第15章 【11.5】時として子どもは大人より残酷である



『私は・・・何をすれば 良い・・?』

必死に ごめん と謝る彼を見て、何故か安心した。
愛おしさも感じた。
しかし 身に染み付いた この歪んだ思考は簡単には変わらない。

私を油断させて 落ちる姿が見たいのかもしれない。
助けるフリをして 私が痛めつけられる姿が見たいのかも。

いろんなことが頭をよぎり この場での最善は何かと頭を使う。


すると これまで口を開かなかった先輩たちが それぞれに話しだした。

「私は毎日ハグしたいわ〜♪」
「はあ? 小春 浮気か!?」
「だって ハグしたらストレスが軽減されるっていうもの♪」

「ならば 俺は毎日 何もしない を共にしよう」
「どういうことね?」
「何も考えない、無の時間も大切ということだ」

「俺は毎日お昼は みんなで一緒に食べたいなぁ」
「えぇけど 毎日毒草の話は勘弁してや!?」
「それは保証できひんな」
「なんやと?!!!!!」

きゃっきゃ きゃっきゃと楽しそうに話す内容や その姿からは、いままで感じたことのない 優しさを感じた。
それすらも疑い 自ら不安になりそうな思考を止めたくて、でも どうすれば良いのか分からなくて 近くにいた彼の服を無意識に掴んでいた。

それに気付いた部長さんが 何も話さない彼に話を振った。

「財前は何したい?」

すぐ隣にいる彼の方へ 恐る恐る顔を向けると、バッチリと目が合った。
その目は あまりにも真剣で 何故かドキッとした。

「俺は・・・・・全部したいっすわ。
ハグもしたいし、何もしないってのもしたい。
昼飯も一緒に食べたいし、登下校も一緒がえぇ。」

「欲張りやなぁ〜!」と笑う先輩たちの声が少し遠くに聞こえた。

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