第14章 【11】そいつは急にやってくる
僕、いや私は青学に来る前は四天宝寺中という 大阪の中学に通ってた。
自分でいうのもなんだが 人見知りすることもなく 誰とでも話してたし、放課後になったら友達とカラオケ行ったり ショッピングモール行ったりして、それなりに楽しい毎日を送ってた。
その中学には 同い年の幼馴染も通ってた。
だから話すこともあれば 家が隣ってのもあって 彼の部活が休みの日は一緒に帰ったりもしてた。
元々 親同士が仲良くて、産まれた頃から一緒にいることも多かった為、普通のことだと思っていた。
けれど それは普通ではなかったのか、年頃の男女には絶好の餌だったのか、入学して2,3ヶ月が経った頃には付き合っていると噂されていた。
初めのうちは「付き合ってるってほんと?」「いつから?」等 興味本位であったり 好奇心からの質問ばかりで、正直に付き合っていないことや 幼馴染であることを話していたが、いつの頃からか... 気が付いた頃には 嫉みや陰口を言われる方が多かった。
そのことは 彼も薄々気づいてて、「気にすんなや」と声をかけてくれたり、 私の気が晴れるようにと 時々 彼の所属しているテニス部に呼んでは ラリーをしたり、愉快な先輩達を交えて談笑したりできて そのときは楽しかった。
けど それがまた刺激となってしまったようで、妬みや陰口は日に日に増していき、とうとう目で見えるカタチとなった。