第14章 【11】そいつは急にやってくる
「蓮 髪切ってんなぁ〜」
『え? あぁ、、、うん!』
それまで青学はどうやとか いつから来てたんかとか そんな話してたのに、急に話が変わってビックリした。
けど 特に意味はなさそうやから 簡単に返事したけど、にこやかな侑くんの目の奥は笑ってなかった。
「なんで切ったん?」
『なんでって・・・イメチェン?』
咄嗟に上手い言葉が出てこず 疑問形で返してしまった。
自分のあほ。。。
案の定 侑くんは はぁ〜 と呆れた様に溜息をついた。
『イメチェンしたらアカンの?』
ちょっと膨れた感じで問うと 足を組んで座っていた侑くんは立ち上がって 僕の隣に座りなおし、ベッドに置いてた僕の手に 侑くんの手が重なった。
「イメチェンがアカンってことはないよ。
むしろ いろんな蓮が見れて嬉しい。
・・・・・けど ホンマの理由は ちゃうやろ?」
ジッと僕を見る侑くんの目は 逃してくれる様子がない。
「なんも無いのに こない短ぁ切るんか?
あんな綺麗で アイツも好きやった髪を。
それに なんで偽ってんの?」
「何があったん?」
そう言う侑くんの顔は悲しそうで 何故か辛そうで。。。
僕のことで そんな顔をさせてると思うと 罪悪感に蝕まれる。
『別に 大したことやないよ。。。』
少しでも その表情が和らぐようにと 言葉を選びながら、転校する前にあったことを話す。